9月16日は「メキシコ独立記念日」です。メキシコ人にとって、とても重要なこのお祭りは、メキシコ独立のきっかけとなった歴史的シーンを再現するセレモニーなど、各地でイベント盛りだくさん。人々は音楽やダンスを楽しみ、伝統料理に舌鼓を打ち、テキーラやマルガリータに酔いしれます。今回は、そんな陽気で楽しい「メキシコ独立記念日」のお祭りについて深堀しながら、最高級のアボカドが生まれた国、一年中食べられる国であるメキシコの食文化、メキシコ人のおおらかさなどについてもご紹介します。

メキシコ最大の祝祭といわれる独立記念日。９月に入ると、街のあちこちにメキシコ国旗の赤・白・緑を使った装飾が施され、メキシコカラーの3色（緑、白、赤）で国中があふれかえります。そしてなんといってもストリートグルメ。露店や屋台が軒を連ねて盛り上げる日本の夏のお祭りのように、メキシコでも露店が最高潮に盛り上がります。また露店ではグルメだけでなく、国旗やアクセサリーなどの記念グッズが売られ、食品スーパーには3色に彩られたお菓子やパン、トルティーヤチップスなども登場。もちろん緑はアボカドやライムなどで演出されます。記念日前日ともなると、メキシコカラーの伝統衣装に身を包んだ人々が街にくりだし、年に一度の記念日をおおいに盛り上げます。

1810年9月16日、ドロレスという街のミゲル・イダルゴ神父は教会の鐘を鳴らして演説をおこない、スペインからの独立を民衆に呼びかけました。この演説は「グリト・デ・ドロレス（ドロレスの叫び）」と呼ばれ、メキシコ独立革命の大きなきっかけとなりました。

「メキシコ独立記念日」は、「Grito de Dolores（ドロレスの叫び）」と呼ばれ、メキシコ独立革命の大きなきっかけとなり、以来、毎年恒例のお祭りとして続いています。前日15日の夜にはその再現セレモニーが各地でおこなわれ、お祭りの盛り上がりは最高潮を迎えます。

首都メキシコシティでは、例年50万人もの人々が中央広場に集まり、このセレモニーに参加します。メキシコ大統領が「グリト・デ・ドロレス」の最後の言葉である『ビバ・メヒコ（メキシコ万歳）！』を叫ぶと、広場に集まった人々も『ビバ（万歳）！』とくり返し、広場は数分間、万歳の掛け声の嵐に。そして国歌を大合唱した後、メキシコカラーの3色の花火がこれでもかといわんばかりに夜空を染め上げ、人々は歓声と拍手喝采の中で独立記念日を祝うのです。

そんな独立記念日によく食べられるのが、チレス・エン・ノガダという料理。大きなピーマンに似たチレ（辛くない唐辛子）に詰めものをして、くるみの白いソースをかけ、ザクロとパセリを散らしたメキシコの伝統料理です。注目すべきはその色。ザクロの赤、ソースの白、チレとパセリの緑で、こちらも国旗と同じメキシコカラーの3色が使われているのが特徴です。

チレス・エン・ノガタ。ザクロの酸味が絶妙の一品

アボカドをふんだんに使ったワカモレを家族みんなでいただく。

独立記念日の食卓に欠かせない料理といえば、クリーミーで旨味たっぷりのアボカドでつくるメキシコのソウルフード＝ワカモレも忘れてはなりません。トルティーヤチップスにつけたり、タコスなどのさまざまな料理に添えたりしていただく、メキシコの食卓には欠かせない一品です。

じつは「メキシコ独立記念日」である9月16日は、ワカモレの日（国際ワカモレ・デー）でもあるのです。メキシコの国民酒といわれるテキーラやマルガリータのおつまみとしても最適なワカモレは、独立記念日を祝うパーティーの必須アイテム。メキシコ人が愛してやまないワカモレとテキーラ、マリアッチやサルサなどの陽気な音楽、そして家族や友人たちとの楽しいおしゃべりで、メキシコ最大の祝祭は夜遅くまで賑わいつづけます。

メキシコ人は基本的に明るくおおらか。細かいことにとらわれず、明るく、幸せに生きるためのことを最優先にする人が多と言われています。 そこで毎日の暮らしに、メキシコのカラフルさ、メキシコ人の心の豊かさを取り入れてみるのはいかがでしょうか。

そしてメキシコと言えば、アボカドの原産国。そして世界一の生産国であるミチョアカン州のアボカドは、機械を使わずに手摘みで収穫されているんです。肥沃な火山性の土壌と年間を通じた温暖な気候が風味豊かなアボカドが育つ最高の環境なのです。

肥沃な大地ですくすく育つアボカドを食べると、心も身体も豊かになるような気がしてきますよね。

週末にメキシコへ祝杯の一杯を、ワカモレと、いかがですか？！